【教育×AI】AIエージェントとペアプログラミング?IT講師(専門外)でも「AIアバターとお話しできるアプリ」が個人開発できた話
こんにちは、現役IT講師のきっちゃん先生です。
今日は、少し個人的な、でも教育関係者の皆様にどうしてもお伝えしたい「未来の可能性」についての話をさせてください。
突然ですが、先生方はこれまでに「授業でこんなアプリがあったらいいのに」「子供たちがもっと楽しく学べるツールを自分で作れたら」と考えたことはありませんか? そして、その直後にこう諦めたことはないでしょうか。
「でも、自分にはプログラミングの専門知識がないから無理だ」 「アプリ開発なんて、エンジニアやデザイナー、たくさんの専門家が集まってやるもんでしょう?」
正直に申し上げます。私もそう思っていました。 昨日までは。
今回、Googleの最新AIエージェント「Antigravity」と協力して、なんと「AIアバターとお話しできるアプリ」をゼロから開発してしまいました。 しかも、たった一人で(正確には、AIという相棒と二人三脚で)。 作業時間は、仕事納めの金曜日の夜、わずか3時間程度でした。
かつてはエンジニア、デザイナー、テスター、デバッガー……多くの専門職が集まってチームで行っていたことが、今や「個人の発想」と「AIエージェント」があれば実現できる時代が到来しています。
この記事では、実際に私が開発したアプリの紹介と、「AIエージェント×個人の発想」がもたらす教育現場へのインパクトについてお話しします。
1. 開発したアプリ:「あけみ先生」とお話ししよう
まずは、論より証拠。実際に作ったアプリの画面をご覧ください。

実際の動作デモ
百聞は一見にしかず。実際に動いている様子を動画でご覧ください。 (※録画の都合上、私の声は入っていませんが、あけみ先生の応答音声は流れますので音量にご注意ください)
Googleの最新AIエージェント「Antigravity」を試してみました。 これ、単なるチャットボットじゃない...!
— きっちゃん先生 (@kitchan_it) December 26, 2025
✅要件定義
✅環境構築
✅コーディング
✅エラー修正
全部自律的にこなす「熟練エンジニア」が隣にいる感覚。AIエージェント×個人の可能性、無限大です。#Antigravity #生成AI #Tech pic.twitter.com/7tKbxqqyE0
画面の中にいるのは、3Dキャラクターの「あけみ先生」。 (※3DモデルはAvatarSample_Aを使用させていただきました) このアプリ、ただ絵が表示されているだけではありません。
- 音声認識: こちらがマイクに向かって話しかけると、その内容を理解します。
- AIによる思考: 話しかけられた内容に対して、あけみ先生(AI)が返答を考えます。
- 音声合成: 考えた返答を、自然な声で喋ってくれます。
- 3Dアニメーション: 喋る内容に合わせて、口が動き、表情が変わります。
例えば、「あけみ先生、テスト勉強がつらいよ〜」と話しかけると、 「あら、そげんしんけん悩まんでも大丈夫!あんたならできるって知っちょるよ!」 と、大分弁混じりの優しい声で励ましてくれるのです(私が大分にいるので、プロンプトで方言を入れてみました笑)。
まるでZoomで先生と話しているような感覚で、AIキャラクターと自然な会話が成立します。
※公開について
「ぜひ使ってみたい!」というお声をいただきそうですが、残念ながらこのアプリ、現時点では一般公開ができません。 これには「大人の事情」がありまして……このアプリは、AIの音声認識や合成のために、有料で利用回数制限のあるAPIを使用しているためです。 個人のPCで楽しむ分には問題ないのですが、Webで公開してみんなが使い始めると、私のお財布がすごい勢いで軽くなってしまいます(笑)。
しかし、ここで皆様にお伝えしたいのは、アプリそのものの公開云々ではなく、「こんな高度なシステムを、専門外の人間が作れてしまった」という事実です。
2. 開発プロセスの変革:AIは「検索ツール」から「相棒(エージェント)」へ
これまで、私たちが何かアプリを作ろうとした場合、以下のような役割分担が必要でした。
- エンジニア: コードを書く人(フロントエンド、バックエンド…)
- デザイナー: 画面の見た目や使いやすさを考える人
- テスター/デバッガー: バグを見つけて修正する人
「プログラミング教育」といっても、先生一人がこれら全てのスキルを持つのは不可能です。だからこそ、「アプリ開発=プロの仕事」という固定観念がありました。
しかし、今回私が利用したAIエージェント「Antigravity」は、この常識を覆しました。 私がやったのは、「日本語で指示を出すこと」だけです。
AIエージェントは何をしてくれるのか?
「AIエージェント」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、単なるチャットボット(質問に答えるだけのAI)とは全く違います。 彼らは、まるで熟練のプロジェクトマネージャー兼エンジニアのように振る舞います。具体的には、以下のようなプロセスを自律的にこなしてくれるのです。
- 要件定義: 「こんなアプリがいい」という曖昧な要望を、「具体的にどんな機能が必要か」という仕様書に落とし込む。
- ワークフロー構築: 開発の手順(まずは環境構築、次に画面作成、その次にAPI連携…)を自分で計画する。
- コーディング: 実際にプログラムのコードを高速で書き上げる。
- 実行と修正: 自分でブラウザを開いて動くか確認し、エラーが出れば勝手に原因を特定して修正案を提示する。
私: 「ブラウザで動く、3Dキャラクターと会話できるアプリを作りたい。キャラクターはVRMファイルを使って、背景はリッチなグラデーションにして。」
Antigravity: 「承知しました。ReactとThree.jsを使って構築しますね。まずは環境をセットアップします……(カタカタとコードを生成)」
信じられないかもしれませんが、私は1行もコードを書いていません(というより、複雑すぎて書けません)。 Antigravityは、私の指示を理解し、必要なライブラリを選定し、コードを書き、そしてエラーが出れば自分で調べて修正までしてくれました。

まさに、「超優秀なエンジニアが、常に隣に座って指示を待っている」状態です。 私たち人間に求められるのは、「どう書くか(HOW)」の知識ではなく、「何を作りたいか(WHAT)」という明確なビジョンと発想だけになりつつあります。
3. 教育者が「作る側」に回る意味
この技術革新は、教育現場に何をもたらすでしょうか?
私は、「先生こそが最強の開発者になれる」と確信しています。
なぜなら、 「ここの単元、子供たちがもっと視覚的に理解できたらいいのに」 「漢字の書き取り、もっとゲーム感覚でできたら続くのに」 といった「現場の課題」と「解決のアイデア」を一番持っているのは、エンジニアではなく先生方自身だからです。
これまでは技術的な壁がありましたが、AIエージェントがその壁を取り払ってくれます。
- 歴史の先生が、「織田信長と直接チャットできるアプリ」を作る。
- 英語の先生が、「自分の発音の癖を指摘してくれる英会話ボット」を作る。
- 特別支援学級の先生が、「その子の特性に完全に合わせたスケジュール管理アプリ」を作る。
そんなことが、個人の趣味の範囲で、しかも数時間〜数日で実現できる世界がきています。
4. 最後に:あなたの「作りたい」を聞かせてください
今回の「あけみ先生アプリ」も、最初は私の「大分弁の先生キャラと話せたら面白いかも?」という、ちょっとした思いつきから始まりました。 そんな些細なアイデアが、AIエージェントの手を借りることで、実際に動くアプリケーションとして命を吹き込まれました。
プログラミングの知識は、もはや必須条件ではありません。 必要なのは、「こんなものがあったら面白い!」という好奇心と、情熱だけです。
もし、この記事を読んで、 「自分も何か作ってみたい!」 「AIエージェントって実際どうやって使うの?」 「実はこんなアイデアを温めているんだけど…」 という方がいらっしゃいましたら、ぜひX(Twitter)でコメントをください。
教育者の視点と技術が交わることで、もっと面白い未来が作れると信じています。 AIと一緒に、ワクワクするような「ものづくり」の世界へ飛び込んでみませんか?
AI時代だからこそ、プログラミング的思考が重要に
AIエージェントは確かに優秀ですが、彼らに的確な指示(プロンプト)を出し、思い通りのアプリに仕上げるためには、実はプログラミング的な思考が不可欠だと感じました。
- 論理的思考: 手順を順序立てて伝える力
- 抽象と具体の往復: 曖昧なアイデアを具体的な機能に落とし込む力
- 構造化: 複雑な問題を小さなタスクに分解する力
「コードを書く技術」はAIが担ってくれますし、「どう動かすか」の設計もAIがサポートしてくれます。しかし、AIの提案を確認し、正しい方向へ導く力は人間にしかできません。方針の指示が少しでも違うと、AIは理想とは全く違うものを作ってしまうからです。
やはり、プログラミング教育の本質はここにあるのだと再認識しました。
AIで減る仕事も多いですが、だれでもアイディアが形になるので増える仕事も多そうです! 子供たちのために、誰かのためにAIと一緒に自分の作って見たかったアプリを作れる時代が来ましたね!
AIはまだまだ進化中です。日々一緒にAI時代の体験や使ってみた情報を共有しましょう!


