【2025年まとめ】文科省ガイドライン&ChatGPT/Geminiで変わる高校生の学び方
こんにちは、現役IT講師のきっちゃん先生です。
2025年も残りわずかとなりました。今年は「高校生とAI」の関係が劇的に変化した1年でした。
かつては「ChatGPTって何?」という声も多かった高校生たちの間で、今やAIを学習に活用する動きが急速に広がっています。文部科学省がガイドラインを大幅改訂し、GoogleからはLearnLMという学習特化AIモデルが登場するなど、教育とAIの融合が本格化しました。
この記事では、文科省とGoogle公式の情報を中心に2025年を振り返り、保護者・教育者の皆さんが押さえておくべきポイントをまとめます。
1. 文部科学省ガイドライン Ver.2.0のポイント
2024年12月26日、文部科学省は「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」を公表しました。これは2023年7月の暫定版を大幅に改訂したものです。
📄 公式資料
「人間中心の原則」とは
新ガイドラインの核心は「人間中心の原則」です。これは、AIはあくまで「生徒の資質・能力を育成するための手段」であり、AIに振り回されるのではなく、人間がAIを使いこなすという考え方です。
高校生の活用例(ガイドラインより)
ガイドラインでは、以下のような具体的な活用例が示されています。
- 英語学習:英語表現の改善提案を受ける
- プログラミング:コードのデバッグ支援
- 探究学習:テーマ設定や仮説立案の壁打ち
- 小論文:論理構成のアドバイスを受ける
押さえておくべき3つの留意点
一方で、ガイドラインは以下の点を強く注意喚起しています。
- 情報の正確性:AIは誤った情報(ハルシネーション)を出力することがある
- 著作権:AIの出力をそのまま使うと著作権侵害になる可能性がある
- 個人情報:名前や住所、他人の情報を入力しない
2. Google「Gemini for Education」とLearnLMの登場
2025年、Googleは教育分野で大きな動きを見せました。「Gemini for Education」と、学習に特化したAIモデル「LearnLM」の登場です。
📄 公式資料
LearnLMとは?「答えを教えない」AI
LearnLMは、Googleが教育目的に最適化して開発したAIモデルファミリーです。学習科学(Learning Science)の原則に基づいて設計されており、最大の特徴は単に答えを教えるのではなく、生徒が自ら考えて答えにたどり着けるよう対話で導くことです。これは「ソクラテス式学習法」と呼ばれる教育手法をAIで実現したものです。
LearnLMの5つの学習科学原則
LearnLMは以下の原則に基づいて動作します:
- 能動的な学習を促す:練習と建設的な試行錯誤を促し、タイムリーなフィードバックを提供
- 認知負荷を管理:情報を適切に構造化し、様々な形式で提示
- 学習者に適応:個々の目標やニーズに合わせて動的に調整
- 好奇心を刺激:学習プロセス全体でエンゲージメントと動機付けを促進
- メタ認知を深める:学習者が計画・監視・振り返りを行えるよう支援
例えば、「この数学の問題を解いて」と聞いても、LearnLMは直接答えを出しません。代わりに:
- 「この問題のどこでつまずいていますか?」
- 「公式のどの部分が使えそうですか?」
- 「一緒に途中まで考えてみましょう」
といった問いかけで、生徒の思考を促します。
Gemini 2.5への統合
LearnLMはGemini 2.5に統合されており、Google I/O 2025で発表されました。教育専門家の評価でも、GPT-4oやClaude 3.5などの競合モデルを上回る「教育的価値」が認められています。また、Google AI Studioで実験的に利用可能なほか、Google検索、YouTube、Google Classroomなどにも機能が統合されています。
3. ChatGPT「あらゆる学びをサポート」との比較
Googleだけでなく、OpenAIもChatGPTに「あらゆる学びをサポート」機能を搭載しています。これもLearnLMと同様、答えを直接教えずに考えさせる設計です。
ChatGPT vs Gemini:高校生の勉強にはどっち?
| 観点 | ChatGPT | Gemini |
|---|---|---|
| 学習特化機能 | あらゆる学びをサポート | LearnLM(Gemini 2.5統合) |
| 最新情報へのアクセス | △(知識に制限あり) | ◎(Google検索連携) |
| 画像・図表の分析 | ◯ | ◎(グラフ・表の解析に強い) |
| 日本語の自然さ | ◎ | ◯ |
| 無料版の使いやすさ | ◎(登録のみで使える) | ◯(Googleアカウント必要) |
使い分けのコツ:
- 小論文・文章添削 → ChatGPT(日本語の自然さが強み)
- 調べ学習・探究 → Gemini(最新情報&Deep Research機能)
- 数学・理科の問題演習 → どちらでも(学習モードを活用)
4. 保護者・教育者へのメッセージ
「考える力が落ちる」への対策
保護者や教育者からよく聞かれる懸念が「AIに頼りすぎて考える力が落ちるのでは?」というもの。これは正当な心配です。
しかし、2025年に登場した「学習モード」や「LearnLM」は、まさにこの懸念に応える形で設計されています。AIが答えを教えるのではなく、考える過程をサポートするという新しい形が生まれています。
家庭でできる対策:
- 「AIに聞く前に、まず自分で考えてみよう」と声をかける
- AIの回答を鵜呑みにしない習慣をつける(「本当にそう?調べてみよう」)
- AIを使った後、何を学んだかを言語化させる
2026年に向けた準備
東京都は2025年5月から都立学校256校で生成AI活用学習を開始しています。また、地方でも同様の動きが広がっており、大分県では「教育DX推進プラン2025」を策定し、生徒全員が持つ1人1台端末(iPad)での生成AI活用を許可。県内の高校ではさまざまな授業でAIをツールとして活用する取り組みが進んでいます。
しかし、現場で感じるのは「学習体験格差」の存在です。AIを積極的に活用して学びを深めている先生・生徒がいる一方で、まだ使いこなせていない・そもそも使っていない先生・生徒も少なくありません。この格差は今後さらに広がる可能性があり、早めに触れておくことが重要です。
保護者・教育者として準備しておきたいこと:
- AIリテラシーを自分も身につける(実際にChatGPTやGeminiを触ってみる)
- 子供と一緒にAIを使う時間を作る
- 「AIとの正しい付き合い方」を家庭で話し合う
まとめ:AIは「敵」ではなく「学びのパートナー」へ
2025年は、高校生とAIの関係が「使うかどうか」から「どう使うか」へとシフトした1年でした。
文科省ガイドラインは「人間中心」を掲げ、GoogleやOpenAIは「考えさせるAI」を開発しました。これらは、AIと人間が協力して学びを深める時代の幕開けを告げています。
大切なのは、AIを「ズルをするためのツール」ではなく、「自分の可能性を広げるパートナー」として活用すること。
私が強く伝えたいのは、AIに聞いた答えをただコピペするだけ、AIの指示を疑わずにただ実行するだけの人は、これから淘汰されていくということです。AIはあくまでツール。私たちは「監督者」として上の立場でAIを使いこなす意識が必要です。AIの出力を批判的に評価し、自分の判断で最終決定を下す——その姿勢こそが、AI時代を生き抜く力になります。
2026年も、子供たちと一緒にAI時代の学びを探求していきましょう!
AIはまだまだ賢くなり進化しています。2026年も激変の時代になると予想されますが、AIの最新情報は私のブログで事実や体験を踏まえてわかりやすく更新していきますので、よろしくお願いいたします。
来年もよろしくお願いいたします。それでは、よいお年を〜!

